退社(退職)を卒業と表現するのに違和感があるというFacebookの投稿がありました。その投稿に対するコメントが私には新しい視点だったので、今日のネタにしようと思います。
えー、卒業に関係しそうな写真がないので、とりあえず、最近の作業状況ということでハウスの水撒き写真です。
さて、まず 「卒業」と言っている方からすると、「喧嘩別れじゃないよ、円満退社だからね」ということなんだと思います。言葉の意味としても、子供に「このおもちゃからはもう卒業しなさい」というのと同じで、その段階や時期を過ぎたという意味に過ぎないので、用法も誤りではないかと思います。が、きっと学校の課程を終了するという意味にとらえて違和感を感じるんでしょうね。ま、個人的には、卒業なんて気取った言い方せず、普通に退職(退社)って言えばいいのに、とは思いますけどね。
で、話題にしたいのは、卒業という言葉の良し悪しでなく、この投稿に対する中小零細企業の社長の皆様のコメントが、
- 卒業にはまだ早い
- 卒業じゃなくて中退だ
- 成果出してから辞めろ
- 成果があがるようになるまでどれだけ投資したと思っているのだ
のような感じで、要するに「辞めて欲しくない」と思っているものが非常に多かったこと。私からすると非常に印象的な反応でして、率直に申し上げて、中小企業の社長、「すげえ!」と思いました。
なぜならば、経営者として、社員に対して
- 面倒は一生見られる
- 社会人教育をしっかり出来る
- 定年退職まで飽きないだけの仕事を準備できる
ということだからです。それだけ自信があるということかと。さらに言えば、年下を雇うことが多いでしょうから、自信が引退するときに会社の経営の承継もできる、ということになります。思ってなくてもその方向に突っ込めることがすごいです。行動しないと先に進めないという側面は多々ありますし。
しかし、正直に申しまして、私には出来ないです。れ組やれ組農園では、今の所、社員を増やす予定はありませんが、もし雇うとしたら、まったく逆の発想 になります。つまり、
- 5年程度で独立させる前提で雇う
- 育成の必要ない有スキル者を雇う
のいずれかで、辞める人は追いかけません。まあ、基本的には後者かなあ。
いやー、だって、前者の場合に若者を雇うとします。多くの場合、18歳〜20代前半でしょう。その時期は社会人として人間形成で一番重要な時期だと思うのです。それをれ組、れ組農園だけで引き受ける自信はないですね。サンプルのひとつでご勘弁願いたい。育成の手間をかける余裕もないし、背中くらいしか見せてあげられませんし、世界は広いわけですし・・・。自分自身も合計4社に勤めて知見を広げてきたわけです。
次に、もっと会社が大きくなったら、前者にも目を向けるかもしれませんが、その場合、自分はどんどん歳を食っていくわけで若返ることは出来ません。ですので、社員を新陳代謝させないと長い目で見て、会社が勢いを失います。大企業と違って、そもそも少数精鋭にならざるを得ないわけで、社員ひとりひとりに経営者視点を持って働いてもらわないと、会社を伸ばすことが出来ません。ひどいこと言いますが、ぶっちゃければサラリーマン根性丸出しの保守的な人材に長く居座られても困るのです。それだと昇給もしてあげられないし。だから社員としては、さっさと独立していくようなマインドの持ち主の方が必要。成果報酬を組み込むとか、投資に見合った給与体系にするでしょう。
そうじゃなければアルバイトもしくは外注を探します。れ組は必要とするのはIT系のスペシャリストなので、外注してエンジニアを調達すれば良いですし、れ組農園は作業者としてはアルバイトでよいのです。特にすぐ隣に筑波大学抱えているれ組農園は優秀な学生がアルバイトに来てくれるのです。また多くの主婦は家事慣れしていて、作業が正確で早いのです。ママ友達も来てくれます。農業のよいところは、ほとんどの農作業は、ひとつひとつの作業は簡単ということ。指示さえ出せば、誰でもできるわけでその特徴を最大限利用したくなるわけです。仕事できるなら時給上げてあげればよいし。で、それ、きっと Win-Win。
というわけで、我々、その辺は、合理的というかドライに考えてしまいますね。
人間、必ずしも合理的に動けるわけでもなく、むしろ正面からなんとかしないといけないことの方が多いです。 真正面から社員育成に取り組んでいく中小企業の社長達、伊達に経営者として飯食ってねえなと思いました、というお話でした。
では、また明日。